ひとりで働くって、こんなに心細かったっけ?
コロナ禍で突然はじまった在宅勤務。
スーツも通勤もいらない!と一瞬テンションは上がったものの、新人だった私はこう思いました。
「……で、今日って何したらいいんだろう?」
同僚の声も、雑談も、ランチの誘いもない。
画面の中だけが世界になり、「これで合ってるのかな」と手探りの日々が続きました。
Slackは静まり返り、Zoomでは誰が話すのか読み合い合戦。 ひとり働き、想像以上に心細いものでした。
そんな私も、気づけば数年。
今では、自分なりの働き方が少しずつ見えてきて、「ひとりで働くのも悪くないな」と思えるようになりました。
この記事では、かつての私と同じようにひとり働きの“モヤモヤ”に悩む新人エンジニアさんに向けて、 在宅勤務で感じた不安や孤独との向き合い方を、等身大でお話ししていきます。
ちょっとでも「わかる〜!」と思ってもらえたら嬉しいです。
在宅勤務は自由で快適…なはずが?新人が感じる「孤独」の正体
「出勤しなくていいって最高じゃん!」 在宅勤務のはじまりは、だれしも少し浮かれるものです。
特に新人の私は、通勤0分・寝ぐせOKな毎日にワクワクしていました。
……が、そのワクワクはわりと早めに終了しました。
誰とも話さないまま1日が終わる
Slackに「おはようございます!」と打ったあと、通知が来ない。
Zoomミーティングも少なく、質問してもタイムラグがある。 そ
してふと時計を見ると、もう夕方。
「あれ、今日ってわたし存在してたっけ?」
そんな日がけっこうありました。
オフィスにいた頃なら、何かしらのリアクションがあったり、目が合ったり、誰かと笑ったり。
でも、在宅勤務では“反応ゼロ”の時間があまりにも長くて、自分が何者なのかちょっと迷子になる感覚すらありました。
質問したいけど、気が引けるあの感じ
新人って、分からないことだらけです。 でも、オンラインの環境では「これ今聞いていいかな?」「忙しそう…」と遠慮してしまう場面が多くて。
結果、「聞けない → 詰まる → ますます連絡しづらい」という負のループに突入しがちでした。
メモを読み返しても解決せず、検索も限界があって、気づけば「自分で解決できない=ダメな人間なのでは…」と勝手に落ち込むことも。
「自由すぎて、逆につらい」という落とし穴
在宅勤務の自由さは魅力でもありますが、逆に言えば、すべて自己管理です。
- どこまでやったら今日はOKか
- 相談するタイミングはいつか
すべてが「自分次第」で、「正解がない」ことに、不安がどんどん蓄積していきました。
自信がないうちは、誰かに「よし、それでOK!」って背中を押してほしいんですよね。
自分の不安に気づいたことが、最初の一歩だった
この時期の私は、ミスをすることよりも、「自分の不安や疑問を出せないこと」のほうがしんどかったなと、今では思います。
けれど、その違和感に気づけたことが、働き方を見直すきっかけになりました。
次の章では、そんな「頼り方がわからない問題」とどう向き合ってきたのか、私なりの工夫をお話ししていきます。
「ひとりでがんばらなきゃ」は呪文かも?頼っていいサインの見つけ方
新人エンジニア時代、在宅勤務で悩む中でもっとも私を苦しめたのは、“誰にも頼れない気がしていたこと”でした。
誰かに聞くこと=迷惑をかけること、 自分で調べきれない=勉強不足、 何度も同じことを聞いてはいけない。
そんな思考に縛られて、質問を飲み込む日々が続いていました。
相談したいけど、声をかける“タイミング”が見えない
リモート環境だと、上司や先輩の「今どんな感じで仕事してるのか」が分からないですよね。
オフィスだったら様子を見て「今なら話しかけられそう」と判断できるけど、オンラインでは常に“チャットが割り込む”感じがしてためらってしまう…。
しかも「この程度で聞いてもいいのかな」と迷っているうちに、時間だけが過ぎていくんですよね。
「聞いてOK」を自分に出すためのルールを作った
そこで私は、自分なりに“聞いてもいいと思えるサイン”を作ってみることにしました。
たとえばこんなルールで気持ちを整理しました
- 10分以上悩んで解決しなかったら、聞く
- 質問するときは「自分が何を試したか」も添えて送る
- 迷ったらまず“確認”として投げてみる(「念のため」の前置きは正義)
これだけでも、「自分、ちゃんと考えてる」「だから聞いてOK」という気持ちの余裕が生まれました。
小さなコミュニケーションで“頼り合える空気”を育てる
もうひとつ心がけたのが、雑談やちょっとした共有でチームとつながることです。
- 「今日初めて〇〇できました!」というささやかな報告
- 「これってこういう認識で合ってますか?」というラフな質問
- 他の人の発言へのリアクションやスタンプ
こういった“ささいなやりとり”が積み重なることで、自然に「何かあれば声をかけ合う空気」ができてきました。
「頼ること」は、弱さではなくて“健全な働き方”のひとつ
在宅勤務だと、どうしても「ちゃんとしなきゃ」「迷惑をかけたくない」という気持ちが強くなりがちです。
でも今振り返ると、「聞けないままモヤモヤしていた時間」こそがいちばんもったいなかったなと思います。
自分のためにも、チームのためにも、“頼ってもいい”と自分に許可を出すことが働くうえでの大切なスキルでした。
次の章では、そんな“頼れる環境”を活かすために、自分自身の行動や習慣をどう整えていったかをお話ししていきますね。
仕事モードをつくる、心と行動の習慣化テクニック
在宅勤務を始めたばかりの頃、朝が異常に長いと感じていました。
布団の誘惑に勝ち、PCを立ち上げるところまではなんとか行くものの、そこからエンジンがかかるまでが遅い…!
しかも、上司の目も同僚の声もない環境では、「やるぞ!」スイッチがどこにあるのか分からない。
この章では、そんな“なんとなく働き出して、なんとなく終わる”日々から抜け出すために、私が取り入れた習慣を紹介します。
朝のルーティンが仕事スイッチになる
オフィス勤務では「駅まで歩く・電車に乗る・会社に着く」が自然と仕事モードに入る流れでした。
でも在宅勤務では、その“切り替えの儀式”がありません。
だから私は、自分で始業のスイッチを作ることにしました。
朝の仕事スイッチ例
- 顔を洗って、部屋着から“ちょっとマシな部屋着”に着替える
- デスクの上をリセット(コーヒー+好きな香りで気分UP)
- PC起動前に、今日やることを紙に書き出してみる
この“ちょっとしたルール”があるだけで、「とりあえず仕事始めるか〜」という気持ちから、「よし、やってみようかな」に近づきました。
ゆるくメリハリをつける時間管理術
新人時代の私は、「とにかくずっと集中してなきゃ!」と思い込んでいました。
でも実際は、ずっと座ってると集中力も体力もガタ落ちです。
今は、“がんばる時間”と“抜く時間”をあえてセットで考えるようにしています。
こんな工夫が役立ちました
- タスクごとにタイマー(25分集中+5分休憩の“ゆるポモドーロ”)
- 午前:難しめの作業/午後:会議や軽めの処理
- 休憩中はスマホじゃなくて、ベランダに出て深呼吸(地味に最高です)
“休憩しても罪悪感がない仕組み”を作っておくと、心も身体もかなり楽になります。
仕事の終わらせ方を決めておくと「だらだら残業」しなくなる
在宅だと、終業時間がふんわりしがちです。
「あとちょっと」「ここまでやったら…」が無限に続いて、気づいたら夜。これ、あるあるですよね?
なので私は、“終業の儀式”も用意するようにしました。
終わりの合図としてやっていること
- 「ToDoの見直し→明日のメモ書き」+「PCの電源を落とす」
- 部屋のライトを“仕事用→リラックスモード”に変える
- ごほうびの甘いものを用意して、ちゃんと一区切り!
オンとオフのスイッチをしっかり作ることで、夜の自由時間をちゃんと楽しめるようになりました。
習慣化は、「疲れにくくなる設計」にもつながっている
在宅勤務で大切なのは、“自分で自分を整える仕組み”を持つこと。 そのベースになるのが、日々の習慣でした。
最初は気合いが必要だったことも、習慣になれば“考えずに自然とできること”になります。
それだけでも、日々のエネルギー消費はかなり減るんですよね。
次の章では、そんな仕事のリズムを支えるもうひとつの柱――
感情との向き合い方についてお話ししていきます。
「わかってもらえない」日もある。感情との上手な付き合い方
新人の在宅勤務で一番つらかったのは、「うまく言葉にできない感情」がこっそりたまっていくことでした。
寂しいとか、不安とか、焦りとか。
でも「みんなも大変だし…」「まだ新人だし…」と、自分の中でその気持ちを無かったことにしてしまいがちだったんです。
なぜか涙が出そうになる日、それって“甘え”じゃなかった
例えば、がんばって書いたコードが誰にも見てもらえなかったり Slackに投げた質問が何時間も返ってこなかったり。
そんな日は、「なんだか分からないけどしんどい」が心に居座りました。
その感情を「まだ自分が未熟だから」と片づけていたけれど、今なら分かります。
感情は“整理すべきエラー”じゃなくて、“更新を促すログ”みたいなものだと。
モヤモヤをそのままにしない「ちょっとした習慣」
感情を完全にコントロールするのは無理。 でも、“対話する”ことはできるんですよね。
私がゆるく続けている習慣たち
- 感情ログを取る:「今日つらかったこと3つ」「うれしかったこと1つ」だけ書き出す
- 感情にラベルを貼る:「これは焦り」「これは自信のなさ」と分けてみると少し落ち着く
- 気持ちのモヤモヤを“誰かに話す” or “Xでつぶやく”(めちゃくちゃ大事)
“誰かに聞いてもらう”だけで心が少し軽くなるのは、エンジニアだって同じです。
「全部わかってくれる人」はいなくても大丈夫
在宅勤務だと、気持ちをわかってくれる人がそばにいない。
そして、いつの間にか「自分の気持ちは誰にも伝わらない」と思い込んでしまう。
でも、「完全にはわからなくても、近い気持ちを経験してきた人」は必ずいます。
それが同僚かもしれないし、SNSの向こうの誰かかもしれません。
そして何より、いまの自分が、過去の自分を一番理解してあげられる存在になっているのかもしれません。
“わかってもらえなさ”をひとりで抱え込まないでいい
感情は、出す場所とタイミングさえあれば、ちゃんと流れていってくれるもの。
がんばれない日、なぜかモヤモヤする日、それはあなたの人間らしさがちゃんと働いている証拠です。
次の章では、そんな気持ちが楽になるきっかけになった「人とのつながり」についてお話しします。
同じように悩んでる人が、実はたくさんいます
在宅勤務を始めたばかりの頃、孤独や不安に押しつぶされそうになっていた私は、どこかでこう思っていました。
「こんなふうに感じてるのは、自分だけなんじゃないか?」
仕事が遅くて申し訳ない。 誰にも質問できなくて自己嫌悪。
“何かをする”以前に、“自分という存在”がうまく馴染めていない気がする。
そんな重たい気持ちを抱えながら、「これが社会人ってこと?」と、心の中で毎日ツッコミを入れていました。
SNSやブログで見つけた「知らないけどわかってくれる人」
そんなとき、何気なく検索したX(旧Twitter)やブログで、 「新人だけど孤独感すごい」「在宅で誰にも会わなくて不安」 という投稿を見つけたんです。
もう、正直泣きそうでした。
顔も名前も知らないけれど、「あ、同じことで悩んでる人がいるんだ」と思っただけで、すごく救われました。
それから私は、「つながり」を意識するようになりました。
「ひとりじゃない」と思える小さなアクション
実際にやってみてよかったこと
- Xで「#駆け出しエンジニア」タグをたどって、共感ポストに反応してみる
- 技術系のオンラインコミュニティに参加してみる(ROM専でもOK)
- 同期や同世代の知人に、軽く雑談や“あるある報告”を送る(ちょっと勇気がいるけど心がラクになる)
がっつり仲良くなる必要はなくて、「孤独は私だけじゃない」と思えるだけで世界は変わるんだなって感じました。
自分の経験も、誰かの「安心材料」になれる
少し慣れてきた今だからこそ思うんです。
あのとき悩んだこと、迷ったこと、全部が「これから悩む誰かの役に立つかもしれない」。
- うまく質問できなかったこと
- 何もしないまま1日終わって落ち込んだこと
- 意外とうまく乗り越えられたこと
こうした経験をブログやSNSで発信してみると、「わかります!」「自分だけじゃなかったんですね」という声が返ってくることもあります。
もしかすると、いまこの記事を読んでいるあなたも、もう少し先の未来で 誰かの「ひとりじゃない」に、なれるのかもしれません。
共感を手に入れたとき、働くことがすこし“ラク”になる
在宅勤務でも、エンジニアでも、言葉が苦手でも、 「わたしだけ?」と思う瞬間に、そっと寄り添ってくれる誰かがいます。
そしてあなた自身も、だれかにとっての“安心のひとこと”を生み出せる存在になれるんです。
次の章では、これまでの振り返りと、これからひとり働きに向き合うあなたへのメッセージを綴っていきます。
まとめ&これから「ひとりで働く」あなたへ
在宅勤務という新しい働き方のなかで、“ひとり働き”の壁にぶつかるのは、けっして特別なことではありません。
私も、何度も「これは自分だけかも」と思いました。
でも、振り返ってみると、あの「うまくできない」「しんどい」があったからこそ、 少しずつ環境を整えて、習慣を身につけて、気持ちとの付き合い方を学べたように思います。
この記事で伝えたかったこと
- 孤独や不安を感じるのは自然なこと
- 頼っていいし、相談していい
- 習慣や環境づくりは“ラクに働く”ための土台になる
- 気持ちがぐらつく日も、誰かが同じように悩んでいる
- 小さな工夫で、ひとりでもごきげんな日々はつくれる
あなたのペースで大丈夫です
一気に解決しなくていいし、無理に「慣れなきゃ!」と焦らなくても大丈夫。
毎日がんばらなくても、昨日より少しだけ“自分にやさしく働けた”なら、それは立派な進歩です。
このブログが、そんな歩みの途中にある誰かにとって ちょっとだけ安心できる場所になっていたら、うれしいです。
在宅勤務は、外から見えにくい働き方だからこそ、 自分をケアする視点をもって、一歩ずつ“自分らしい仕事の形”を育てていけたらいいですね!
これからのあなたの働き方が、やさしくて、心地よくて、 「ひとりだけど、ひとりじゃない」と感じられるものになりますように。

ひとりで働くって、自由なようで不安が多かったり、 誰にも見えない場所だからこそ「ちゃんとできてるのかな」と悩むこともあるかもしれません。
このブログでは、そんな気持ちに寄り添いたくて、自分の経験を正直に綴りました。 「わたしもそうだったよ」と、誰かの心にそっと寄り添えたなら嬉しいです。
在宅勤務が当たり前になった今、働き方の正解は人の数だけあります。 自分らしく働けるスタイルを、焦らず、探しながらつくっていきましょう。
そして、今日もあなたが“ごきげんなひとり働き”を過ごせますように。
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