Javaのビルドとは?初心者にもわかるやさしい解説と実践ステップ

Java入門・実践
スポンサーリンク

Javaの開発には“ビルド”という工程があります。

でも、プログラミングを始めたばかりのころの私は「ビルド?それは…えーと……カタカナ多めの何か?」という状態でした。

「コンパイルとの違いもよく分からないのに、ビルドツール?JARファイル?Gradle?なにそれ怖い…」と逃げたくなったのは一度や二度ではありません。

この記事では、そんな初心者時代の自分と、これを読んでくれている“今のあなた”が並んで歩けるように、「ビルドって何?」という疑問をひとつずつやさしく解きほぐしていきます。

スポンサーリンク
  1. ビルドって“通ぶった言葉”に聞こえませんか?
    1. ビルド?それ、食べられますか?
    2. コンパイルとビルドって、どう違うの?
    3. だからこそ、この記事を書いています
  2. ビルドとは何か?ざっくり知りたい方への超訳版
    1. ビルドは「まとめて準備して、動く形にすること」
    2. たとえ話で言うと…
    3. コンパイルとどう違うの?
    4. ビルドツールの存在意義はここにある
    5. まとめ:ビルド=最終形にまとめる仕上げの時間
  3. Javaにおけるビルドの中身をのぞいてみよう
    1. ビルドって、何をしてくれてるの?
    2. ビルドでやること一覧(イメージ版)
    3. コンパイルは1ステップ、ビルドは“全部こみこみセット”
    4. .jar ファイルって何?
    5. 小まとめ:ビルドとは「やることがいっぱい詰まった工程」
  4. 実践!手動でのビルドをやってみよう
    1. シナリオ:2つの .java ファイルから .jar ファイルを作る
    2. Step 1:コンパイル(.java → .class)
    3. Step 2:.jar ファイルを作ってみる
    4. Step 3:作った .jar を実行!
    5. やってみた感想:ちょっと面倒だけど、得るものがある
    6. 小まとめ
  5. ビルドツール登場――Gradleって、何者?
    1. ビルドツールは、いわば “裏方のプロフェッショナル”
    2. MavenとGradleのざっくり違い
    3. Gradleって、どうやって働いてくれるの?
    4. つまり、手動ビルドの「全部やってくれる版」
    5. とはいえ、まだ「全部わからなくても大丈夫」です
  6. Gradleを使ってみよう――ビルド自動化の第一歩
    1. Step 1:Gradleのインストール(もしまだの方)
    2. Step 2:プロジェクトの作成
    3. Step 3:コードを書き換えてみよう(任意)
    4. Step 4:ビルド&実行してみよう
      1. ビルド
      2. 実行(application プラグイン付きの場合)
    5. 生成物をのぞいてみよう
    6. Gradleって意外とカンタンかも
  7. ビルドで何がラクになるのか、実感してみる
    1. 面倒なコンパイル作業、もう覚えなくていい
    2. 依存ライブラリは、自動で取ってきてくれる
    3. クラスパスやビルド先を自動管理
    4. テストも実行できる
    5. 手放すことで見えてくるありがたさ
    6. 小まとめ:「やってみた」からこそ、わかる効率化の価値
  8. おわりに――ビルドは裏方だけど、すごく大事な相棒です
    1. ビルドは「影のエンジニア」
    2. まとめ:ここまでの旅路
      1. ビルドとは?
      2. コンパイルとの違いは?
      3. 手動ビルドって大変?
      4. Gradleを使ったらどう変わる?

ビルドって“通ぶった言葉”に聞こえませんか?

プログラミングをはじめたばかりのころ、私は「javac」で .java ファイルを変換して、「java」で実行する――という流れを、なんとなく覚えはじめたところでした。

「あ、なるほど。これが“プログラムを動かす”ってことか!」 と、1人で軽く達成感を味わっていたある日――

「ビルドしておいてもらえますか?」

そう言われた瞬間、頭の中にふたたび大量の「???」が湧いてきたのです。

ビルド?それ、食べられますか?

「ビルド」という単語。 正直に言うと、最初は“すごく通ぶった言葉”に聞こえました。

  • プロのエンジニアがサクッと口にしてそうで、
  • 自分にはまだちょっと早い感じがして、
  • 「え、それ…私が今、知らなきゃいけないやつなんですか?」と心の中で焦る。

ビルドという言葉の前では、javac さえ覚えたばかりの私は完全に小動物でした。

コンパイルとビルドって、どう違うの?

それでも「まぁ、調べたらすぐわかるかも」と思って検索してみると――

  • 「ビルドは、コンパイルや依存関係の解決など一連の工程を…」
  • 「JARファイルを生成し…」
  • 「ビルドツールによって…」

……説明を読んでも、わからない単語ばかり。

結局、「ビルドって“なんかすごいやつ”ってことだな」と、雑に脳内フォルダにしまい込みました。

だからこそ、この記事を書いています

この記事では、そんなビルド初心者だった過去の自分に語りかけるように、「ビルドってなに?」「なんのためにやるの?」という疑問を、1つずつやさしく整理していきます。

難しい専門用語はできるだけ避けて、 「コンパイルとどう違うの?」という素朴な疑問にも寄り添いつつ、 Gradleなどのツールにビビらず一歩踏み出せるような内容をめざしています。

次の章では、まず「ビルドって結局、何をしてるの?」というところから、ざっくりイメージできるようにお話ししていきますね。

ビルドとは何か?ざっくり知りたい方への超訳版

さて、ビルドという言葉にちょっとひるんだ私たちですが、まずは「ビルドって結局なんなの?」というところから一緒に見ていきましょう。

大丈夫、“ざっくり”でOKです。

ビルドは「まとめて準備して、動く形にすること」

Javaにおけるビルドを一言で言うなら、

「プログラムを全部そろえて、動く形にまとめる作業」です。

これは単に .java ファイルを .class に変換するだけではありません。

もうちょっとだけ丁寧に言うと、ビルドにはこんな役割が含まれています:

  • ソースコードのコンパイル(javac)
  • 複数ファイルの整理・パッケージ化
  • ライブラリや外部依存物の準備
  • 実行可能なファイル(JARなど)を生成
  • (場合によっては)テストやコード整形も含む

たとえ話で言うと…

Javaのコンパイルが「材料を切って下ごしらえする作業」なら、 ビルドは「キッチンを片付けて、料理をきれいに盛り付けて、テーブルに出すまで」までを含む工程です。

つまり:

コンパイル:.java → .class に変換(料理でいうと加熱して食べられるようにする)

ビルド  :.class をまとめてJAR化したり、必要な材料を整えたり(料理を皿に盛って配膳する)

「ちゃんと食べられる状態」にするのがビルド。

開発では「他の人に配布できる状態」「環境に依存せず動く状態」にするために必要なんですね。

コンパイルとどう違うの?

ここで整理しましょう:

項目やっていること説明
コンパイル.java → .class に変換Javaコンパイラがソースコードを機械語に
ビルドコンパイル+その他まとめ作業複数ファイルや依存も整理して動かせる形に

ビルドの中に「コンパイル」が含まれているという関係です。

ビルドツールの存在意義はここにある

初心者のころは1ファイルの実行だけで十分です。でも、コードが増えたり、ライブラリを使うようになると、手作業での管理がどんどん大変になってきます。

そこで登場するのが Maven や Gradle などのビルドツール。

ビルドツールってつまり「いちいち考えなくても、まるっと面倒を引き受けてくれる便利屋さん」なんです。

まとめ:ビルド=最終形にまとめる仕上げの時間

  • ビルドとは、プログラムを動かすために必要な準備をまとめてやること
  • コンパイルとは別物だけど、その中に含まれている
  • 将来的にはビルドツールを使うと便利(今じゃなくてOK)

というわけで、ビルドは“玄人だけの概念”ではありません。

むしろ、これから長く付き合っていく、プログラムのパートナー的存在なんです。

次の章では、Javaにおけるビルドの「具体的な中身」がどうなっているのか、実際の工程を分解しながら一緒にのぞいていきましょう。

Javaにおけるビルドの中身をのぞいてみよう

さて、「ビルド=プログラムを動かすための準備工程」だとわかってきたところで、今度はその“中身”をひとつずつのぞいてみましょう。

ビルドって、何をしてくれてるの?

Javaのビルド作業には、実はいろんな“ミニ仕事”が詰まっています。

たとえば、あなたがレストランの厨房でシェフの横をチラ見したとき――

皿に盛るだけじゃなくて、食材の仕分け、火加減調整、盛りつけ確認までやってた。

それと似ています。

ビルドでやること一覧(イメージ版)

工程説明
ソースコードのコンパイル .java → .class に変換(おなじみの javac )
ファイルの構成チェッククラスやパッケージが適切に配置されているか確認
依存関係の解決外部ライブラリ(JARなど)を自動で取得・組み込み
リソースのコピー画像・設定ファイルなどを出力先にコピー
出力先フォルダの整理ビルドごとに「bin」や「build」フォルダをきれいに更新
アーカイブ(JARファイル)作成.class やその他をまとめて .jar にパッケージ
実行可能JARの指定(Main-Class)実行時に使うメインクラスの情報を追加(MANIFEST.MF)

コンパイルは1ステップ、ビルドは“全部こみこみセット”

この表を見て、「えっ、ビルドって思ったよりやること多い…」と感じた方も多いかもしれません。

そうなんです。だからこそ、ビルドを自動化してくれるツールの存在が重要になってくるんです(これについては後の章で!)

でもまずは、今のところは「コンパイル=材料の調理」「ビルド=全部まとめて出すセットメニュー」くらいの認識でOKです。

.jar ファイルって何?

ビルドのゴールとしてよく出てくるのが、.jar ファイル(Java ARchive)。

これ、簡単に言えば「Java用のZIPファイル」みたいなものです。

中には .class ファイル、設定ファイル、場合によっては画像やプロパティなど、アプリケーションを動かすために必要な一式が詰まってます。

手作業で作るとちょっと大変ですが、ビルドツールならポチッと一発。 だから人気なんですね。

小まとめ:ビルドとは「やることがいっぱい詰まった工程」

  • Javaのビルドは、ただのコンパイルだけじゃない
  • .class をまとめて .jar にしたり、依存ライブラリを取り込んだり…
  • 手動だと面倒だけど、ビルドツールを使えばスッキリ解決!

次の章では、実際に手動でビルド作業をやってみるチャレンジに進みます。

「面倒だけどやってみることで理解が深まった」――そんな体験になるよう、ゆっくり丁寧に進めていきますね。

実践!手動でのビルドをやってみよう

ここまでで「ビルドって、たくさんの作業が詰まった工程なんだな〜」ということが、なんとなくわかってきたかもしれません。

では次に、「実際にそれを自分の手でやってみると、どんなふうに感じるか?」を体験してみましょう!

シナリオ:2つの .java ファイルから .jar ファイルを作る

今回は、以下のようなシンプルなJavaプログラムを手動でビルドしてみます。

構成イメージ

/MyApp
├── Main.java
└── Hello.java

各クラスの内容

Main.java

Java
public class Main {
    public static void main(String[] args) {
        Hello.greet();
    }
}

Hello.java

Java
public class Hello {
    public static void greet() {
        System.out.println("Hello from another class!");
    }
}

Step 1:コンパイル(.java → .class)

まず、2つの .java ファイルをコンパイルして .class に変換します。

Bash
javac Main.java Hello.java

実行後、フォルダの中には Main.class と Hello.class が並ぶはずです。

ここまでは「いつもの流れ」ですよね。

Step 2:.jar ファイルを作ってみる

次に、この .class たちをまとめて .jar ファイルに変換します。

Bash
jar cfe MyApp.jar Main Main.class Hello.class

ここでの cfe の意味はこうです:

  • c:JARファイルの作成(create)
  • f:ファイル名の指定(filename)
  • e:エントリポイント、つまり main() を持つクラス(entry point)

要するに、「MyApp.jar を作って、Main.class を最初に実行するよ」という指示です。

Step 3:作った .jar を実行!

では早速、作成した JAR ファイルを実行してみましょう。

Bash
java -jar MyApp.jar

すると…

Hello from another class!

と表示されれば、無事に自作ビルド完了です!

やってみた感想:ちょっと面倒だけど、得るものがある

どうでしょう。 単純な2ファイル構成でも、手動でビルドしようとすると

  • コマンド長い…
  • クラス指定が意外とややこしい…
  • クラス名やファイル名のミスでエラーが出やすい…

というように、「ちょっとしんどいな」と感じる場面が出てきたのではないでしょうか。

でも、それが後の「ビルドツールって神なのでは!?」という気づきにつながります。

小まとめ

  • 手動で .java を .class にして .jar にまとめる流れを体験
  • javac → jar → java -jar の3ステップ
  • コマンド操作が増えることで「ビルド自動化したい」というモチベーションが湧いてくる

次の章では、そんなあなたの「助けて…!」という声に応えてくれる相棒、ビルドツールたち(特にGradle)の登場です。

「魔法みたいにラクになる」その入り口を、一緒にのぞいてみましょう!

ビルドツール登場――Gradleって、何者?

手動で .java をコンパイルして、.jar を作って、クラスパスを調整して――

そんな作業をひとつひとつ手でやってみた結果、私はこう思いました。

「ビルド、めっちゃ面倒くさい…」

それでも達成感はありました。

でも正直、毎回これをやるの?と考えた瞬間、 心の中の “小さな開発者” が、そっと椅子から立ち上がって言いました。

もっと効率よくやれる方法、そろそろ探してもいいんじゃない?

ビルドツールは、いわば “裏方のプロフェッショナル”

Javaの世界では、そんなビルドまわりの面倒をまるごと代行してくれる相棒が存在します。

そう、それが「ビルドツール」と呼ばれる存在です。

  • 書いたコードを全部まとめてコンパイルしてくれて、
  • 外部ライブラリも自動で拾ってきてくれて、
  • .jar 作成や依存管理まで一発でやってくれる

人間だったら、間違いなく「気がきく人No.1」になってるタイプ。

MavenとGradleのざっくり違い

ビルドツールには代表的なものが2つあります。

ツール名 特徴 向いている人
MavenXMLで設定を書く/古くから定番安定志向なプロジェクト
GradleGroovyやKotlinで柔軟に書ける/高速ビルドが得意カスタマイズしたい人・Android開発者

この記事では、より柔軟で直感的に使える Gradle を中心に紹介していきます

Gradleって、どうやって働いてくれるの?

Gradleは、プロジェクトのルートディレクトリにある build.gradle ファイルを読み取って、その中に書かれた指示どおりに作業を進めてくれます。

たとえば:

Groovy
apply plugin: 'java'

group = 'com.example'
version = '1.0'

repositories {
    mavenCentral()
}

dependencies {
    implementation 'org.apache.commons:commons-lang3:3.12.0'
}

このように書いておけば、Gradleは:

  • Javaプロジェクトとして必要な設定を読み取り、
  • 必要なライブラリを Maven Central から探してきて、
  • すべてをコンパイルして .class や .jar を生成してくれる…

という流れになります

つまり、手動ビルドの「全部やってくれる版」

もう一度整理してみましょう。

手動ビルドで必要だったことGradleがやってくれること
javac で複数ファイルをコンパイルgradle build で一括コンパイル
.jar コマンドでアーカイブを作成自動で build/libs/*.jar を生成
外部ライブラリをダウンロード・導入dependencies {} に書くだけでOK
クラスパスの設定や出力先の整理Gradleが自動で構成

面倒だった部分、まるごとお任せできちゃいます。

とはいえ、まだ「全部わからなくても大丈夫」です

Gradleにはたくさんの機能がありますが、今の段階では「Javaプロジェクトの便利なお手伝いさん」くらいの認識で十分です。

このあと紹介する実践編では、「Hello, World! プロジェクトをGradleでビルドしてみる」ステップをご案内します。

次の章では、いよいよその Gradle を使ったビルド体験にチャレンジしてみましょう。

手動で感じたモヤモヤが、「これがあればラクじゃん!」に変わる瞬間を、一緒に味わいに行きましょう!

Gradleを使ってみよう――ビルド自動化の第一歩

さて、ここまで読んできて「Gradleってすごいらしい」という雰囲気はなんとなく伝わってきたかもしれません。

でもやっぱり、実際に触ってみないとピンとこないですよね。

というわけで、ここからは“Hello, Gradle!” な最初の一歩として、Gradleを使ってJavaプログラムをビルドしてみましょう。

Step 1:Gradleのインストール(もしまだの方)

すでに入っている方はスキップしてOKですが、まだの方は以下からインストールできます:

インストール後、以下でバージョン確認:

Bash
gradle -v

Step 2:プロジェクトの作成

まずは以下のコマンドで空のGradleプロジェクトを作成します:

Bash
gradle init

表示されたプロンプトには以下のように答えると、Javaアプリケーションのテンプレートが作られます

Select type of project to generate: 3 (application)
Select implementation language: 3 (Java)
Select build script DSL: 1 (Groovy)

生成される構成はこんな感じ:

my-app/
├── build.gradle
├── settings.gradle
└── src/
    └── main/
        └── java/
            └── App.java

Step 3:コードを書き換えてみよう(任意)

生成された App.java は、シンプルな「Hello, World!」です。

ちょっとだけカスタマイズしてみてもOK:

Java
public class App {
    public static void main(String[] args) {
        System.out.println("Hello from Gradle!");
    }
}

Step 4:ビルド&実行してみよう

ビルド

Bash
gradle build

これだけで、以下のことが一発で行われます:

  • コンパイル(.class ファイル生成)
  • JARファイルの作成(build/libs/ 以下に生成)
  • 依存関係があれば自動ダウンロード&組み込み

実行(application プラグイン付きの場合)

Bash
gradle run

ターミナルに Hello from Gradle! と出たら大成功!

生成物をのぞいてみよう

ビルド完了後は以下のようなファイルができます:

/build
├── classes
├── libs
│   └── my-app.jar
├── tmp
└── other build-related folders

つまり、これまで自分でやっていた .class 作成も .jar 作成も、ぜんぶ自動でやってくれてるわけです。便利すぎでは!?

Gradleって意外とカンタンかも

使ってみる前は「設定ファイル難しそう…」という印象がありましたが、最小構成のプロジェクトであれば、数ステップでビルドが完了してしまう驚きを体感できたはず。

むしろ、「自分で全部やってたあの努力は…!」という気持ちにもなりつつ、ちゃんとあの経験が理解に深みを与えてくれたと思えば、悪くなかったですよね。

次の章では、そんなGradleの“ありがたみ”をさらに感じられるポイント――

「どんなふうにラクになるのか」を具体例で紹介していきます。

ここまでがんばってきた自分に、ちょっと感動する瞬間が待ってます。

ビルドで何がラクになるのか、実感してみる

Gradleでのビルドをひととおり体験してみて、ふとこう思いませんでしたか?

「えっ…今までの手作業、めちゃくちゃ頑張ってたな……?」

そう、ここまでくるとGradleのありがたみがじわじわと染みてくるんです。

この章では「どんなふうにビルドがラクになるのか」を、過去の手作業と比較しながら見ていきましょう。

面倒なコンパイル作業、もう覚えなくていい

手動ビルドでは .java ファイルを1つ1つ javac でコンパイルしていました。

クラスが増えるたびに、ファイル名をずらずら書く作業が発生します。

Gradleなら、ファイルが増えても gradle build だけで全部コンパイル! ディレクトリの中を探して、ちゃんと順番を見て、まとめてやってくれるんです。お母さんか。

依存ライブラリは、自動で取ってきてくれる

外部ライブラリを使いたいとき、手動だと JAR ファイルを探してダウンロードして、クラスパスを指定して…と小さなイベントが何回も起きてましたよね。

Gradleなら、dependencies {} に書くだけで、必要なライブラリをネットから自動で引っ張ってきてくれます。

Groovy
implementation 'com.google.guava:guava:31.1-jre'

これでJARの場所を探しに行かなくてもOK。

まるでレストランの注文のようです。「Guavaください」→ 届く。

クラスパスやビルド先を自動管理

手動ビルドでは -cp(クラスパス)を指定して実行したり、.class の出力先を整理するのが地味に面倒でした。

Gradleはそのへんも全部おまかせ。

build/ ディレクトリを作って、その中に

  • classes
  • libs
  • resources

などを自動で分類してくれます。部屋を片付けてくれるルンバのような安心感。

テストも実行できる

「えっ、テストもやってくれるの!?」 はい、gradle test で JUnit テストが自動的に走ります。

ちゃんと test ディレクトリを用意すれば、ビルドと一緒に品質チェックまでできるんです。

これはまさに“家事全部やってくれる人”状態。

手放すことで見えてくるありがたさ

手作業でやっていたころは、ひとつひとつの操作が「どれも重要なステップなんだ」と実感できたと思います。

でも、ツールがそれを肩代わりしてくれることで、本来集中したかった「アプリの中身」にフォーカスできるようになるんですよね。

Gradleは、「やるべきこと」と「やらなくてもいいこと」を仕分けしてくれる存在です。

小まとめ:「やってみた」からこそ、わかる効率化の価値

  • コマンドが1行で済むようになった
  • エラーが減った(=人力ミスも減った)
  • 開発以外の部分に振り回されなくなった

手作業の苦労を経て、Gradleの便利さを体感できるようになったあなたは、もう「なんとなく使ってるだけの人」ではありません。

一歩前に進んだ、ちゃんと“使いこなし始めている人”です。

次の章では、記事全体を振り返りながら「ビルドって結局なんだった?」をあらためておさらいし、ちょっと未来の学びにもつなげていきましょう。

おわりに――ビルドは裏方だけど、すごく大事な相棒です

ここまで、Javaの「ビルド」について一緒に歩いてきました。

手作業でのビルドにひと苦労したり、Gradleの魔法に感動したり。

ときには「もう覚えられないよ〜」とため息をつきそうになったかもしれません。

でも、ひとつひとつのステップを越えるたびに、

「あ、これってそういう意味だったんだ」

「意外とシンプルかも?」

「やってみたら、怖くなかった」

そんな“小さな理解”が積み重なってきたのではないでしょうか。

ビルドは「影のエンジニア」

エラーがあったら教えてくれる。 必要なファイルは自動で集めておいてくれる。

ライブラリもクラスパスも、静かに整えておいてくれる。

それがビルドの仕事です。

派手ではないけれど、いないと困る。

それでいて、うまく動いているときはまるで気づかれない。

そんな「裏方のプロ」が、ビルドという存在なのです。

まとめ:ここまでの旅路

これまでに学んだことを、振り返ってみましょう:

ビルドとは?

コンパイル+αの“まとめて準備”作業

コンパイルとの違いは?

.java → .class にするのがコンパイル 、ビルドはその先まで面倒を見てくれる総合工程

手動ビルドって大変?

コマンドを覚えたり依存を管理したり…ちょっとしんどい!

Gradleを使ったらどう変わる?

作業が一発、設定も柔軟、ライブラリも自動取得

decopon
decopon

「ビルドってなに?」という素朴な疑問からはじまり、Gradleとの出会い、そして少しずつ分かっていく小さな実感まで。この記事は、私自身の“つまずきと発見の記録”でもあります。

もしあなたがこの記事を読んで、「あ、それ私も思ってた」と共感してくださったり、「ちょっとだけ分かったかも」と思ってくださったとしたら、これ以上にうれしいことはありません。

プログラミングって、知らない言葉に囲まれたり、手順を覚えるだけで大変だったりしますよね。でも、そういう迷いのひとつひとつが、ちゃんと“次の理解”につながっていくのだと思っています。

「いまはよく分からなくても、大丈夫」 「自分のペースで進んでいいんだ」 そんなふうに、この記事が小さな安心を届けられていたらうれしいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました