「プログラミングに挑戦してみたいけど、最初の“環境構築”でつまずいてしまった…」 そんな経験はありませんか?
これからJavaを学ぼうとしている方にとって、開発ツールのインストールは意外と大きなハードル。
どのソフトを使えばいいの? どうやって設定するの? そんな疑問に答えてくれる記事が見つからず、挫折してしまった方も多いかもしれません。
本記事では、Java開発に定番の無料IDE「Eclipse(エクリプス)」を使って、インストールから基本設定、最初のJavaプログラム作成までを丁寧に解説します。
初心者でも安心して読み進められるよう、画面キャプチャ付きで一つひとつのステップを追っていきます。
開発の第一歩は、意外とかんたん。この記事を読み終える頃には、あなたのパソコンでJavaが動きはじめているはずです。
(本記事はPleiades All in Oneの2023-12版のインストール手順を記載しています。)
はじめに
これからJavaのプログラミングを始めたい方にとって、開発環境の構築は最初の壁かもしれません。
「どのツールを使えばいいの?」「インストールの手順が分かりづらい…」と感じた経験はありませんか?
本記事では、Java開発に必要な統合開発環境(IDE)である「Eclipse(エクリプス)」のインストール方法と、最初に設定しておくべきポイントを分かりやすく解説します。
対象は、これからJavaを学ぶ初心者や、環境構築に自信がない方です。
Eclipseは、世界中の開発者に長年愛されてきた無料のIDEで、Javaに特化した機能が豊富にそろっています。
コードの補完、デバッグ、プロジェクト管理など、すぐに開発が始められる多機能なツールです。
また、拡張性も高く、自分好みにカスタマイズすることで、より効率的な開発環境を構築できます。
この記事を読むことで、以下のようなことがスムーズにできるようになります:
- Eclipseのダウンロードとインストール
- 最初に設定しておきたい基本的なカスタマイズ
- 最小限の手間でJavaプログラムを実行するまでの流れ
初心者でも安心してステップアップできるよう、スクリーンショットや操作手順も交えて丁寧にご紹介していきます。さあ、一緒に開発の第一歩を踏み出しましょう!
Eclipseのダウンロードとインストール・基本設定
Eclipseとは
Eclipseは統合開発環境(IDE)と呼ばれるアプリケーションです。
IDEはIntegrated(統合)、Development(開発)、Environment(環境)です。
Eclipseは特にJavaの統合開発環境として有名です。
EclipseはGUIと呼ばれるマウスなどで、コンピュータの画面に表示されているアイコンやボタンを操作するため、直感的に理解でき、作業効率が上がるメリットがあります。
Eclipseには以下のツールが含まれています。
アプリケーション開発に必要な主なツール
エディター
プログラム言語は、あらかじめ決められた文法に則って、ソースコードなどと呼ばれる文書を記述する必要があります。それらのソースコードを記述するためのプログラムやソフトウェアを指します。
コンパイラー
エディターで作成したソースコードを、コンピューターが理解できる形式に変換するプログラムです。
デバッガー
コンパイラーなどでエラーとなったプログラムの原因を探るために利用されます。
Eclipseの最新版
Eclipseは毎年1度、6月に最新版が登場していましたが、2018年9月以降は、3か月ごとにリリースされるようになりました。
Eclipseの最新版は、以下のサイトで確認します。


Pleiades All in Oneとは
公式のページ(https://www.eclipse.org/projects/)から導入したEclipseは、メニューなどがすべて英語となっています。
そのため、インストール後に日本語化の作業が必要になります。
しかし、「Pleiades All in One」は、Eclipse本体と日本語化プラグイン「Pleiades(プレアデス)」がセットになっているため、導入後すぐに日本後化されたEclipseを利用することができます。
Pleiades All in Oneは以下のサイトから入手できます。

Pleiades All in One のインストール
①Pleiades All in One のダウンロードページで、最新版のEclipseを選択します。

②Java の Full Edition にある「Download」ボタンをクリックします。

③ダウンロードのリンクがあるページに遷移するので、リンクをクリックしてダウンロードを開始します。

エクスプローラーのダウンロードを確認します。ダウンロードが完了しました。
④実行形式のファイル(exeファイル)としてダウンロードできるので、ファイルをダブルクリックしてインストールを開始します。

⑤「WindowsによってPCが保護されました」というウインドウが表示されたら、「詳細情報」をクリックします。

⑥下部にある「実行」ボタンをクリックします。

⑦「自己解凍書庫」ダイアログボックスが表示されたら、「作成先フォルダ(D)」を確認します。
問題がなければ、インストールを開始します。

⑧⑦で示した作成先フォルダにEclipseが作成されます。

Eclipseのディレクトリ構成

ディレクトリ | 説明 |
configuration | プラグインの設定や更新に関するもので構成されるディレクトリです。ワークスペースの場所を設定、変更できるファイルもこのディレクトリ内に存在します。プラグインとはEclipse開発環境に統合できる、新しい「機能」を実装したものです。 |
dropins | プラグインやフィーチャーを手動で組み込む際のディレクトリです。フィーチャー とは、個別にダウンロード可能およびインストール可能な機能の単位のことです。 |
features | 複数のプラグインをひとまとめにしたフィーチャーを格納するディレクトリです。 |
p2 | configurationと同様に、プラグインの設定や更新などを管理するディレクトリです。 |
plugins | Eclipseのメニューからインストールしたプラグインが格納されるディレクトリです。 |
readme | 使用方法や注意事項などが記されたファイルが格納されているディレクトリです。 |
ファイル | 説明 |
eclipse.exe | Eclipseの実行ファイルで、Eclipseを起動する際に使用します。 |
eclipse.exe -clean.cmd | 古い情報ファイルを削除するコマンドファイルです。Eclipseが起動しなくなったときや、新しいプラグインを追加した直後に使用します。 |
eclipse.ini | Eclipseが起動する際に参照されるファイルです。利用するメモリサイズを増やして、Eclipseのパフォーマンスを改善する場合などに編集します。 |
eclipsec.exe | Eclipseをコンソール(コマンドプロンプトなど)で実行するためのファイルです。プラグインの稼働状況やEclipseのログを見る際に使用します。 |
ワークスペースのディレクトリ構成
「workspace」ディレクトリには作成したプロジェクトが保存されます。
その他に「.metadata」ディレクトリにはプラグインの設定内容など各種情報が保存されています。

「eclipse」と「workspace」のディレクトリは同じ階層にあります。

Eclipseの起動
Eclipseはフォルダ内の exlipse.exe から起動します。
exlipse.exe の場所は「(保存先のフォルダ)\pleiades\2023-12\eclipse」のフォルダ内にあります。
exlipse.exe をダブルクリックして起動します。

「ワークスペースとしてのディレクトリー選択」ダイアログボックスが開きます。
ワークスペースの場所が確定しているならば、「この選択をデフォルトとして使用し、今後この質問を表示しない」をチェックします。これは確定後でも変更は可能です。
「起動」をクリックします。

「開始中」となり、少し待ちます。

Eclipseが起動できました。

Eclipseの終了
主に3つの方法があります。
(その1)メインメニューから、「ファイル(F)」→「終了(X)」をクリックします。

(その2)タイトルバーの左側にあるアイコンをクリックして、表示されたメニューから「閉じる(C)」をクリックします。

(その3)タイトルバーの右側にある「×」ボタンをクリックします。

Eclipseの外観の変更方法
初回起動時にEclipseがダークモード(背景が黒い画面)の場合はクラシックモード(背景が白い画面)に変更することが可能です。
Eclipseのワークベンチ全体の配色を変更したい場合、「ウインドウ」タブの「設定」を選択します。

「一般」を選択します。

「外観」を選択して、「ルック&フィールド(T)」から、リストにある「クラシック」を選択します。
選択したら、右下の「適応して閉じる」を押下します。

「テーマの変更を完全に有効にするために再起動しますか」のメッセージボックスが表示されたら、「再開(R)」ボタンを押下します。

開始中となるので、少し待ちます。

Eclipseの外観をダークからクラシックに変更できました。

Eclipseの外観は自分の好みに変更すると良いでしょう。
EclipseでJava開発環境を整える
Eclipseの基本設定が完了したら、いよいよJavaプログラミングを始める準備に入ります。
この章では、JDK(Java Development Kit)の導入から、最初のJavaプロジェクトを作成してプログラムを実行するまでのステップを順にご紹介します。
JDKをインストールする
Eclipseを使ってJavaのコードを書くには、Javaの開発ツールである JDK(Java Development Kit) が必要です。
JDKの確認方法
- ターミナルまたはコマンドプロンプトで java -version を実行
- JDKがインストールされていればバージョン情報が表示されます
インストール手順(未インストールの場合)
- Oracle公式サイト または Adoptium にアクセス
- 最新のLTS(長期サポート)版JDKを選択
- ご自身のOSに合ったインストーラーをダウンロード・実行
※ JDK 17以上を選べば、最新のJava機能が使える上、Eclipseとの互換性も高いです。
EclipseにJDKを設定する
インストールしたJDKがEclipseで正しく認識されているか確認しましょう。
- メニューから「Window > Preferences」へ(macOSでは「Eclipse > Preferences」)
- 「Java > Installed JREs」へ移動
- 一覧にJDKがない場合は「Add」から手動で追加
「Standard VM」→ 「Next」
「JRE home」でJDKのフォルダを選択(例:C:\Program Files\Java\jdk-17 など)
設定後、「Apply and Close」で反映させます。
Javaプロジェクトの作成
いよいよ最初のJavaプロジェクトを作成していきましょう。
- メニューから「File > New > Java Project」を選択
- 「Project Name」に任意の名前を入力(例:HelloWorld)
- 「JRE」欄で先ほど設定したJDKを確認
- 「Finish」をクリック
これでEclipse上に新しいJavaプロジェクトが作成されます。
クラスを作成してHello Worldを実行
Javaの世界では「Hello World」が最初の一歩です!
- 作成したプロジェクトを右クリック → 「New > Class」
- 「Name」に Main と入力
- 「public static void main(String[] args) にチェック」を入れて「Finish」
自動生成されたmainメソッド内に、次のコードを入力
System.out.println("Hello, World!");
- 保存(Ctrl + S)して、「▶」ボタンを押すと、コンソールに Hello, World! が表示されます。
パッケージの使い方(任意)
今後複数のクラスを扱うようになると、「パッケージ」で整理するのが基本です。
- プロジェクト内で右クリック → 「New > Package」から作成
- クラス作成時にパッケージを指定すれば、自動的に整理されていきます
パッケージ名は通常、小文字で組織やプロジェクト名をベースにするのが一般的です(例:com.example.myapp)。
まとめ
この章では、Java開発を始めるために必要なステップを一通りご紹介しました。
- JDKの導入
- EclipseへのJDK設定
- Javaプロジェクトとクラスの作成
- 「Hello World」の実行
ここまでできれば、Javaプログラムを自分のパソコンで動かせる環境が整ったということです!次章では、Eclipseをもっと便利に使いこなすためのおすすめ設定をご紹介していきます。
Eclipseを快適に使うためのおすすめ設定
EclipseはインストールしただけでもJava開発が始められますが、ちょっとした設定を加えるだけで 作業効率や快適さが大きく向上 します。
この章では、Eclipseをもっと便利に、そして使いやすくするためのおすすめ設定を紹介します。
よく使うショートカットキーを覚える
ショートカットキーは、Eclipseでの作業スピードを一気に高めてくれる強力な味方です。
以下は特に使用頻度の高いショートカットです。
- Ctrl + Space:コード補完(Content Assist)
- Ctrl + Shift + F:コードの整形(Format)
- F3:定義元にジャンプ(Open Declaration)
- Ctrl + Shift + O:未使用importの整理
- Alt + Shift + R:変数名やメソッド名の一括リネーム
覚えておくと、手をマウスに伸ばす回数が激減します。
自動補完機能の設定を強化する
Eclipseの コード補完機能(Content Assist)は非常に便利ですが、タイミングや候補をカスタマイズすることで、さらに使いやすくなります。
- 「Window > Preferences > Java > Editor > Content Assist」へ移動
- 「Auto Activation」セクションで以下を調整
Auto activation delay(ms):デフォルトの200→0〜50に変更すると体感が速くなります
Auto activation triggers for Java:.(ピリオド)以外に必要なトリガーキーを追加可能
デバッグ環境を整える
Eclipseはデバッグ機能が非常に優れており、ブレークポイントやステップ実行を使えばエラーの原因を素早く特定できます。
- コード左側の行番号をダブルクリックしてブレークポイントを設定
- F11でデバッグモード実行
- 「Variablesビュー」で変数の中身をリアルタイム確認
- 条件付きブレークポイントやウォッチ式も活用すれば、さらに精密なデバッグが可能です
保存時の自動整形を活用する
保存時に自動でコードを整形したり、不要なimportを削除する設定をしておくと、常にきれいなコードを保てます。
- 「Preferences > Java > Editor > Save Actions」へ
- 「Perform the selected actions on save」にチェック
- 「Format source code」「Organize imports」にチェック
- 必要に応じて「Additional actions」で細かいクリーンアップ設定も可能
チーム開発やブログ掲載用のコードを整えるのに非常に便利です。
フォントや色を自分好みに調整
画面の見やすさは作業効率に直結します。
自分が 快適に作業できる色やフォント に設定を変えておきましょう。
- 「Preferences > General > Appearance > Colors and Fonts」で変更可能
- 背景色・キーワードの色・エラーの強調なども調整できます
- ダークテーマとの相性も考えてカスタマイズするとより見やすくなります
まとめ
この章では、Eclipseをさらに使いやすくするための5つのポイントを紹介しました:
- 作業が格段に速くなるショートカットキー
- 賢いコード補完でタイピングを効率化
- 強力なデバッグ機能を最大限に活用
- 保存時の整形でコードをいつも綺麗に
- 自分好みのUIで目にも優しく
これらの設定を取り入れることで、Eclipseがより“自分仕様の開発空間”に近づいていきます。
次章では、Eclipseをさらに拡張するためのおすすめプラグインについて紹介します。
よくあるトラブルと解決方法
Eclipseは非常に優れた開発ツールですが、最初のうちは 動作が遅い、JDKが認識されない、エラーが消えない などのトラブルに戸惑うこともあるかもしれません。
この章では、初心者がつまずきやすい代表的な問題と、その具体的な対処法をまとめて紹介します。
Eclipseが起動しない/動作が重い
主な原因
- メモリ不足(初期設定のままでは割り当てが少ない)
- 不適切なJavaランタイム使用
- プラグインの競合や破損
解決策
- eclipse.ini ファイルで割り当てメモリを増やす。
-Xms512m
-Xmx2048m
例として、-Xmx を 2048m に設定すると、最大2GBまで使用できます。
- Javaのバージョンを確認し、JDKが正しくインストールされているかチェック
- 起動オプションで -clean を指定して一時ファイルをリフレッシュ
Eclipseのショートカットの起動引数に -clean を追記
JDKが認識されない
主な原因
- JDKではなくJREだけがインストールされている
- EclipseにJDKのパスが正しく設定されていない
解決策
- JDKがインストールされているか確認:
ターミナルやコマンドプロンプトで javac -version - Eclipseで JDK を再設定:
「Window > Preferences > Java > Installed JREs」から正しいパスを手動で登録
プロジェクトのエラーが消えない(ビルドエラー)
主な原因
- ファイルやフォルダーが手動で削除された
- クラスパスや依存関係の設定ミス
解決策
- プロジェクトを右クリック → 「Refresh」(F5)で再読み込み
- 「Project > Clean…」を実行して、再ビルドを強制
- .classpath ファイルを見直し、不足しているライブラリやファイルを確認
エンコーディングの問題(文字化け)
主な原因
- UTF-8以外の文字コードで保存されたファイル
- Eclipseのデフォルト設定と不一致
解決策
- 「Preferences > General > Workspace > Text file encoding」で「UTF-8」を選択
- 各ファイルのエンコーディングもプロパティから変更可能(右クリック → Properties)
プラグインのトラブル
主な症状
- Eclipseが急に重くなる
- 機能が動作しない
解決策
- 不要なプラグインを無効化または削除(「Help > About Eclipse IDE > Installation Details」)
- プラグインのアップデート/再インストールを試す
まとめ
この章で紹介したようなトラブルは、誰もが一度は経験するものですが、原因と対処法を知っておくことで冷静に対応することができます。
開発環境に慣れてくると、トラブルが減るだけでなく、問題解決のスピードもぐっと上がっていきます。
まとめ&次のステップ
ここまでの章を通じて、Eclipseのインストールから初期設定、Java開発の基本操作までを一歩ずつ丁寧に解説してきました。
初心者の方にとって、「開発環境を整える」という作業はとても大きなチャレンジだったと思います。
それでも、この記事を読みながら進めてきたあなたは、すでにJava開発の第一歩をしっかりと踏み出しています。おめでとうございます!
本記事でできるようになったこと
- Eclipseのダウンロードとインストール方法がわかった
- JDKの設定を行い、Java開発ができる環境を整備できた
- Eclipseの基本画面構成や便利な機能に触れた
- 「Hello, World!」を表示するJavaプログラムを自力で実行できた
- 快適な開発のためのおすすめ設定やショートカットを導入できた
- トラブル時の対処法を知って、環境構築への不安を減らせた
このように、ただ“使える”だけでなく、“自分に合った開発環境”を自ら整えられるようになったことは大きな成果です。
次に目指すステップ
ここからさらにステップアップするには、次のようなチャレンジがおすすめです。
- おすすめプラグインを導入してEclipseを拡張する → Lombok、Spring Tools、EGit など
- Gitとの連携方法を学ぶ → チーム開発の第一歩として重要なスキルです
- Javaの基礎文法やオブジェクト指向についての学習を始める → Eclipseを使って、実際に手を動かしながら習得できます
- 小さなアプリケーションを作ってみる → 「ToDoリスト」「電卓」「じゃんけんゲーム」などがおすすめ!
おわりに
プログラミングの道は長くて深く、ときに難しいこともありますが、環境構築をやり切れた経験は、きっとこれからの自信につながります。
この記事が、その第一歩を後押しできていたらとても嬉しいです。

Eclipseのインストールや初期設定は、初めての方にとって決して簡単な道のりではなかったかもしれません。それでも一つひとつ手順をこなして、自分の手で開発環境を整えられたあなたは、もう立派な「Java開発者のたまご」です !
学習はこれからが本番。でも焦らず、楽しみながら進んでいきましょう。これからも、初心者の方がつまずきやすいポイントや学習のヒントを、わかりやすく・ていねいにお届けしていきます。
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